みどころの紹介

君ケ浜Kimigahama Beach and Forest

海から陸へ…多様な植物が観察できる砂浜と砂丘林(銚子ジオパークの森)

  • あり
  • なし
  • あり
  • なし

君ケ浜は、日本の渚100選にも選ばれている美しい砂浜です。梅雨のころ霧の出る日が多いので、「霧ヶ浜」とも呼ばれていましたが、いつからか君ケ浜と呼ばれるようになりました。

砂浜の後方は、高いところでは海抜20mの砂でできた高まりになっています。この地形は砂丘と呼ばれ風によって運ばれた砂が堆積してできました。

君ケ浜の砂丘では古くからクロマツの植林がおこなわれてきました。現在ではクロマツなどが海側から低木から高木へと変化し、最奥部ではクロマツと交代したタブノキの林が成立しています。

銚子ジオパークでは砂丘上に広がる君ケ浜国有林を「銚子ジオパークの森」として林野庁と共同で保全・活用する取り組みを行っています。

アイコンの説明

  • 無料駐車場
  • 施設
  • 自然
  • 人の営みに関わるみどころ
君ケ浜の地層

君ケ浜の海岸はほとんどが砂に覆われていますが、その砂の下には古い地層があり、一部が地表に顔を出しています。この地層は恐竜時代(白亜紀前期:約1億2500万年前)のもので砂岩層と泥岩層がミルフィールのようにくりかえし、泥岩の割合が多いのが特徴です。逆に君ケ浜の北の岬や南の犬吠埼は砂岩の割合が多くなっています。砂岩と泥岩を比べると砂岩のほうが侵食されにくいため、君ケ浜の北や南の犬吠埼は岬となり、その間の君ケ浜は弓なりの海岸になりました。
この地層からは、化石が多く見つかっており、中には新種の発見もありました。
※現在は水郷筑波国定公園の特別地域に指定されており、化石の採取は禁止されています。

君ケ浜の植物
海浜植物

砂浜は直射日光が当たって高温となり、水はけもよいため乾燥しやすく、さらに強い潮風が吹きつける過酷な環境です。君ケ浜の海岸では、この環境に適応した、オニシバ、コウボウムギ、ハマヒルガオ、ネコノシタ、コマツヨイグサ、ハマゴウ等、さまざまな海浜植物を見ることができます。

君ケ浜の砂地に咲くハマゴウ(斉藤敏一氏提供)

砂丘林(銚子ジオパークの森)の植物

潮風や飛砂の害から人家や農地を守るために砂丘上は古くから植林され、人の手によって管理されたクロマツの林が成立しました。このような林にはクロマツと共生するきのこ類が多くみられます。例えば君ケ浜などの銚子のクロマツ林には食用きのこのハツタケがみられます。ハツタケは銚子では「あおはつ」と呼ばれ、傷つけるとかさやひだが青緑色に変色するのが特徴です。

しかし、年月が経つにつれ君ケ浜のクロマツ林は徐々に照葉樹林に置き換わっており、最奥部ではクロマツと交代したタブノキの林が成立しています。照葉樹とは一年中、光沢のある緑の葉が茂る樹木です。これらは温暖湿潤な環境を好むため、照葉樹林は銚子の気候に適した森林といえます。また、長い時間が経過した結果、森林内の樹種の構成がほぼ変化しない、安定した状態となった「極相林(きょくそうりん)」は、銚子など関東地方ではこのような照葉樹林になります。

銚子ジオパークの森では、砂丘林を散策しながら、クロマツ林から照葉樹林への植物群落の移り変わり【遷移(せんい)】の様子が観察できます。

君ケ浜でみられるハツタケ。かさの表面(a)と裏側のひだ(b)(糟谷大河氏提供)

銚子ジオパークの森(君ケ浜)のタブノキの林

アクセス
銚子ジオパークの森入口(しおさい公園駐車場)

銚子電鉄「君ヶ浜」下車、徒歩約750m(約9分)

このページの先頭へ