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屏風ケ浦ジオサイト

 銚子半島の南西側の海岸には、高さ40m〜50mの海食崖が約10qにわたって続く、「屏 風ケ浦(びょうぶがうら)」があります。
 屏風ケ浦は、英国のドーバー海峡のホワイトクリフになぞらえて、『東洋のドーバー』と呼ばれる景勝地です。屏風ケ浦では、新第三紀鮮新世から第四紀更新世に堆積した犬吠層群に属する名洗層、飯岡層と、香取層、関東ローム層が見られます。名洗の遊歩道からは、これらの地層が西に向かって緩く傾斜している、雄大な景色を見ることができます。

 名洗層と飯岡層は、西に緩く傾斜し、不整合で香取層に覆われます。名洗層は、主に凝灰質砂岩からなり、ところどころに白いスジのように見える火山灰層を挟みます。その上位の飯岡層は、青灰色を帯びた泥質凝灰岩が主体であり、名洗層とは時間間隔をおかずにほぼ整合で接しています。
 飯岡層は不透水層であるため、その上を覆う透水性の香取層を通過した水が、ところどころで湧水として観察されます(写真a)。銚子半島の洪積台地を削る谷地形は、この湧水による谷頭(こくとう)浸食により形成されたと考えられます。

a b c

 田村ら(地質学雑誌,116(7),360-373,2010)は、南関東に分布する250万年前の広域火山灰層の研究を行い、名洗層において、層厚2pのざくろ石を含むテフラ層(写真b)を報告しています。この広域火山灰層は、2009年に改訂された新第三紀と第四紀の境界層付近に位置するとして、注目されています。

 火山灰層を横に追って行くと、ところどころで正断層(写真c)が観察されます。これは、この地域が引っ張りの場であり、波による浸食に弱いことを示しています。このため、屏風ケ浦は、年間約1m程度のペースで海岸が失われてきたと言われています。

 屏風ケ浦の台地(下総台地)では、春キャベツが日本一の生産量を誇り、安定した風力を利用して34基(2011年現在)の風力発電施設が設置されるなど、地形的・気候的な特徴を活かした土地利用がなされています。


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